デンマーク流の幸福について書かれているマイク・ヴァイキングさんの著書の中から、全世界でベストセラーとなった『ヒュッゲ』『リュッケ』。そして『マイ・ヒュッゲ・ホーム』の三冊を紹介しようと思う。
マイク・ヴァイキングさんの書籍情報
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作 者:マイク・ヴァイキング(Meik Wiking)
デンマーク幸福研究所所長。デンマーク出身。1978年〜。
簡単な内容紹介
デンマーク流の心地いい暮らし方について紹介している本。
読書難易度:
難しくはないです。
デンマーク流の幸福の指南書
マイク・ヴァイキングさんの本は、一言で言えば「デンマーク流の幸福の指南書」といったところですね。何冊か出版されているんですが、今回はその中から3冊紹介しようと思う。
マイ・ヒュッゲ・ホーム
タイトル:マイ・ヒュッゲ・ホーム「癒やしの空間」のつくり方
ヒュッゲな時間を過ごすための本。
この「ヒュッゲ」という言葉は、日本ではあまり馴染みがないですが、デンマーク流の幸せの概念のことですね。
Hygge(ヒュッゲ)
ウエルネスかつ満足な感情がもたらされ、居心地がよく快適で陽気な気分であることを表現するデンマーク語およびノルウェー語である。
だそうです。そういえば「フィーカ」という言葉も出てきていましたね。
補足Fika(フィーカ)
通常甘いものと一緒に「コーヒーを飲む」ことである。より新しい用法では、子供達がコーヒーの代わりにお茶、レモネード、スカッシュ(英語版)を飲むこともフィーカに含まれるようになった。
だそうです。
ヒュッゲ
タイトル:ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方
ヒュッゲがベースになったデンマークの暮らしや考え方を紹介している本。
リュッケ
タイトル:リュッケ 人生を豊かにする「6つの宝物」
補足デンマーク語で《幸せ》を意味する。
デンマーク流のリュッケな生き方について紹介している本ですね。
感想・レビュー
三冊ともデンマーク流の幸福を指南している本。もっというと居心地のいい空間で、幸せを感じるシンプルな暮らし方のヒントを提案している実用書なので、まとめて感想を書きますね。
雰囲気も内容もだいたい同じような感じの類似本なので、よほどマイク・ヴァイキングさんの著書にハマった人でなければ、一冊読めば十分かな?っという印象でした。
装丁が可愛い、ページをめくれば写真やイラストがあって読みやすい。
北欧の文化やインテリアは良いなと思う。海外ではヒュッゲがトレンドになった時、クッションやキャンドルや北欧グッズの売上が伸びたとか。
そして本の中に流れる時間はゆったりと流れている。コーヒー片手になんとなくペラペラとページめくって眺めているだけでも癒やされた気分になれる。
この本を読んでいる時間が既にヒュッゲだった(オチ?)。
デンマークといえば
私はまずジャンテロウ(ヤンテの掟)が頭に浮かんだんですよね。
補足ヤンテの掟
生きる者が自他に課す暗黙の定めとして、モーセの十戒になぞらえた処世訓
デンマークの国民性に強い影響を及ぼしている処世訓。人間の高慢な心を戒めるための十戎といったところ。
その処世訓が極端な方向に理解が進んじゃって、素直に誰かを褒めることもできず、迂闊にお世辞の一つも言えなくなった不器用なデンマーク国民。
それ故に自尊心、向上心、探究心を育めなくなったデンマーク国民。
っていうイメージを持っているんですけどね。
でも世界最高峰の社会保障制度が整っていて、食料もエネルギーも自国でまかない、かつ民主主義が最も進んでいる国、デンマーク。
そこにヒュッゲやフィーカやリュッケといった概念が浸透しているおかげで、足るを知り、幸福を知ったなら良かったね、と思う。素晴らしいね。
素直に大いに褒め称えたい。
しかしデンマーク人に「あなたは世界一幸福な国に住んでいるので羨ましいです!」「あなたのヒュッゲやリュッケの考え方は素晴らしいです!」って褒めたら、ヒュッゲな気分を台無しにしちゃうんでしょうかね?知らないけどね😅
そういえば、同じく北欧のスウェーデンだとLagom(ラゴム)っていう概念があったね。《適度》《ほどほど》って意味だったかな。そんな暮らしをしようってことらしい。
そりゃそうだよね。適度な暮らしが最適に決まっている。
例えばお風呂だって、熱めのお風呂よりも、ぬるめのお風呂よりも、自分にとってちょうど良いのが一番良いに決まっている😆
Lagom(ラゴム)もイイネ👍
キャンドル推しの本でした
確かにキャンドルってロマンチック。
しかし私は火事が心配なので、キャンドルが普通にある暮らしには憧れていないんだなぁ。明るい方が便利ですし。
なので照明は全部電気、仏壇の蝋燭だって電気。そんなウチの照明に不満は無かった。むしろ快適。これもヒュッゲ?
それもあるけど、この本って文字量もそこそこあるので、夜にキャンドルの灯りだけでは、薄暗くて読みにくそうだよ。目も疲れそうだよ。
デンマーク人は、そのへんノープロブレムなんだろうか?
要するに、キャンドルの灯りで本書を読まれる場合は、目の疲れと火事にはくれぐれもご注意くださいね😊と、お伝えしておきたいと思います。
敢えて欲を言えば
闇に蓋をして、光を語るキラキラ系スピリチュアルのように、この本もキラキラしている。なのでそっち系のスピリチュアルがお好きな方ならバイブル的な本になるかもしれません。
しかし私は、キラキラし過ぎているところに不自然さを感じたんだなぁ。
心酔することなく冷静に読むと、どことなく「押しつけ」を感じるところもある。そんなところも似ている気がする。
だから、少し疑問が湧いた。
本当にデンマーク人は今、幸福か?
世界トップ10入りするほどの抗うつ剤の消費大国。
8割以上の国民が、生涯の中で精神科医の治療を受けている国。
薬物による死亡率も、自殺率も世界トップ30に入る国。
そしてとても保守的な国。デンマーク人限定の幸福追求ゆえに抱えた闇もあるよね。
つまり、どことなくデンマーク現代社会のアンチテーゼっぽい印象もあるね、って意味ですけどね。
人類にとって完璧に幸福で、キラキラしているだけの御伽話のような国など何処にもないって😂
失礼かもしれないけれど、敢えて言えば、そう思った。でもオシャレな大人の絵本みたいな感じですし、素敵な雰囲気の本だと思うよ👍
国連の世界幸福度ランキング
自分の幸福なら、他人・他国・測定値で幸せ比べをしたり、ランキングで幸せを感じるのではなく、自分自身の価値観で幸せを感じる方が良いと思う。でも世界のリアルを知るには数字が手っ取り早いね。
ということで、国連の世界幸福度ランキングを見たわけだが…
上位国は、例年通り社会保障が充実している北欧諸国。勿論デンマークも2位に入っている。
マスコミでもよく報じられるよね、福祉が充実している北欧諸国、世界一幸福な北欧諸国。
日本は?
51位ですな。
日本は戦後約80年間戦◯をしていない数少ない国の一つですし、恵まれていると思うし、とても良い国だ。
でもやっぱり日本も完璧な国ではないし、多くの問題を抱えている。国民も幸せいっぱいで浮かれているわけでもないので「なるほどね」と最初は納得した。
ところが日本よりも上位の50カ国をつらつら見ていたら「あれ?」って思った。
日本よりも、失業率の高い国(日本の失業率はめっちゃ低いぞ)、自殺者の割合が高い国、物価が高い国、貧困国、治安の悪い国が日本より上位に入っている。日本よりGDPが低い国も。
抗争に発展するほどギャングやドラッグ問題が深刻なうえに、世界有数の不平等なあの国も、なんと戦◯中のあの国まで日本より上位に入っていた(驚)。
戦◯って最も不幸な状態、地獄やん。
へぇ~、日本って地獄以下だったのか?平和ボケしているので、全然知らんかった。
判定基準によって、ランキングに影響があるのは分かるよ。
だがしかし戦◯、自殺、鬱、治安の悪さ、貧困、失業率って国の幸福とは相反するし、《幸福な国》の判定基準として無視できないポイントでは?
というか日本より上位の国って、某教系と縁が深い国ばかりなのはなぜ?偶然かもしれんけどね。
何が国と人を幸福にすると考えているのかなー?不思議だなー。
まとめ
今回は、マイク・ヴァイキングさんの『マイ・ヒュッゲ・ホーム「癒やしの空間」のつくり方』『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』『リュッケ 人生を豊かにする「6つの宝物」』のレビューでした。
あまり深く考えず、気軽に雰囲気を楽しむのに適した本だと思った。
癒やしの空間、ゆったり心地よく流れる時間、シンプルで心豊かな暮らしに憧れる方や、慌ただしい日常・無味乾燥な日々を送っている方も、この本を手にとってみませんか?
デンマークの素敵な部分を参考にして、今よりも、もっと自分らしく素敵なライフスタイルを築こう✨って気持ちになれると思うよ。
マイク・ヴァイキングさんの記事は、こちらでも紹介しています。