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【感想】日日是好日/森下典子|日々の暮らしと茶道のエッセイ

4.08.2025

文学2

美味しそうな抹茶

森下典子さんの『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』は、著者が日々の暮らしと茶道のお稽古に通った25年間を綴った自伝的エッセイです。

『日日是好日』書籍情報


カテゴリとジャンル:〈文学2〉暮らし・エッセイ

タイトル:日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ
作  者:森下典子(もりしたのりこ)
エッセイスト、ルポライター。神奈川県出身、1956年〜。
日本文藝家協会会員。


 簡単な内容紹介 

森下典子さん自身が習い続けた茶道を軸にして、人生について語った随想録。

読書難易度:
難しくはないです。万人向けのエッセイだと思う。

感想・レビュー

まずタイトルの『日日是好日』。読み方は「にちにちこれこうじつ」。 意味は

日日是好日
表面上の文字通りには「毎日毎日が素晴らしい」という意味である。

引用:Wikipedia/日日是好日

この本のレビューは悩ましい💧
実はこの記事を書こうと思って、書籍&作者の情報をネットで検索したんですよ。
そしたら「素晴らしい学び or 気付きが有りました✨」という主旨の大絶賛レビューと、便乗説教で溢れかえっている現状を目の当たりにしたんですよね。
めっちゃ売れまくって映画化もされた人気書籍なので、当然なのかもしれないけど…、それにしても説教好き多いね😅

そんなわけで、今さら同じようなことを書いても仕方あるまい💧
んー、どうしようかな?なに書こうかな?

お茶の思い出 

とりあえず自分のお茶絡みの便乗思い出語りから始めようか。

私が子供の頃の話。
ウチでは、父が和菓子を買って帰って来た日は、必ず晩御飯の後に家族全員が和室に呼び集められていた。
父が茶道を嗜んでいたので、父は家族全員に抹茶茶碗(古美術品)を買い与え、おウチ茶道会を催していたのだ。
父は私の抹茶を点てる時は、抹茶をちょっと少なめにして砂糖を加えてから茶筅(ちゃせん) でシャカシャカしてくれていた。所謂ホットグリーンティーだね。美味しかったよ👍

その後、父は茶碗を撫でまくりながら、茶道や利休や茶碗のウンチクを語りだすのがお約束だった。
私は「あんこじゃなくて生クリームのお菓子食べたかった💧」「抹茶茶碗なんか、台所のお椀でええやん」「キティちゃん🐱の茶碗の方が可愛いで」「古いもんなら、キティちゃん🐱のご先祖様っぽい土偶が一番キュートやろ」とか内心かなり冷めたことを思っていたが、父の前では一度も口に出すことは無く、ちんまり座って話を聞いていた(えらーい👍)。
父がとても楽しそうだったから、幼心にも本音を言えなかっただけですけどね。

いつの間にか私は古伊万里や柿右衛門がどうとか、赤九谷や青九谷がどうとか、日本の焼き物に詳しいレアなお子様になっていた。無論、利休や茶碗について語り合えるレアな同級生は皆無だった。
懐かしいなー。良い思い出だ。
そういえばマイ抹茶茶碗、もう何年も見ていないけどどこに片付けたっけ?

学生時代は、学校で茶道の授業があった。禅宗系の学校だったので坐禅もした。薙刀と生花の授業もあったな。そのせいかどうか知らないけど、一般的な学校より終業時間が遅かった。
それはともかく、禅と茶道って親和性が有るよね(禅の思想だけが茶道の正統な流れとは言い切れない気がするので、親和性と表現しました)。
でも茶道は、お仕置き棒(警策)でぶっ叩かれることもないし、食からトイレまで、それこそ生きる全てをルールで束縛する禅宗ほど厳しくないけどね。私は茶道の方が好きだったな。

茶道にしろ坐禅にしろ、慌ただしい日常を生きる現代人には、たまには心静かに過ごす時間を持つのも良いんじゃないかな。

ようやく『日日是好日』の感想 

この本は、自己啓発・スピリチュアル・宗教とバツグンに相性が良さそうな内容でしたね。
また、本書のタイトルは禅を意識しているようだった。ただし森下典子さんのスタンスは、宗教の求道者という立ち位置ではなかった。そこが良いんだなぁ。

たとえば何らかの団体の法と律によって、ギッチギチに十把一絡げに縛りあげられて、己の知情意を放棄して個を失い、あるがままにその身を任せれば、崇高ではいられるのかもしれない。
でも機械や植物じゃあるまいし、一喜一憂する心も無く、喜怒哀楽も無く、泥んこにもならない人間の人生なんて、のっぺりと平坦で綺麗過ぎて、実につまらないんじゃないかなと思うんだよね。

実は、崇高な宗教もスピリチュアルも自己啓発も、基本的には救われたい、幸せを感じたい、崇高な自分像を思い描いて自己実現したいなどの《現世利益》という欲と期待が原動力っていうケースが殆どでしょうけどね。だって人間ですもんね😊

ま、どんな人生を歩むかは本人の自由ですけども。
私は、森下典子さんのように、あるがままにゆっくりと五感の全てで今を感じながら過ごす心地よさと、自分の意志で得られる幸福感の両方を知る人間になりたいもんだと思ったよ。
どこまでいっても欲から逃れられないのが人間ならば、それがたった一度の人生ならば、ね。

彼女は絶妙のバランス感覚を持って生きているようだ。器用で賢い人だと思った。美しい人だね✨

まとめ

今回は森下典子さんのベストセラー『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』についての感想でした。

この本は人生のバイブルに成り得る一冊じゃないでしょうか?
茶道をされている方や茶道に興味をお持ちの方は勿論、そうでない方も、スピリチュアルや自己啓発や仏教に興味をお持ちの方も、何か悩んでいる人にも、悩んでいない人にもオススメしたい。
万人向けの良書なので、もしもまだ読んだことがないなら一度手にとってみませんか?

 映画版 

監督:大森立嗣さん、主演:黒木華さん。
主人公の典子が通う茶道教室の先生役を樹木希林さんが演じているんですが、さすが名優という感じ。圧巻です。

Thank you!
では、またね😊


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