飲茶さんの『史上最強の哲学入門』は西洋哲学者31人、『史上最強の哲学入門東洋の哲人たち』は東洋の思想家13人のを分かりやすくまとめた入門書。
書籍情報
タイトル:史上最強の哲学入門
タイトル:史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち
作 者:飲茶(やむちゃ)
作家、会社経営者。東北大学大学院修了。
哲学、科学、数学などの解説本を執筆している。
読書難易度:
どちらも入門書なので難しくはない。
詳しく知りたい方や、哲学や思想に明るい方ですと物足りないと感じるかもしれません。
史上最強の哲学入門
簡単な内容紹介
人気格闘漫画『バキ』をパロって、少しコミカルに西洋哲学を解説した西洋哲学の入門書。
感想・レビュー
これは読みやすい!読んで損はないと思う。
『史上最強の哲学入門』というタイトルに偽り無し!予備知識ゼロの状態でもOKだ !
いしいひさいちさんの『現代思想の冒険者たち』のシュールな哲学パロディも素晴らしかったが、飲茶さんの哲学本もなかなかどうして。
でもバキってなんスか?
実は初っ端でつまずいてしまいました。
バキが足りない云々言われても、私は「バキってなんスか?哲学用語?」だったので(笑)。ご存知でしたか『バキ』?
多分、これのことだと思う。
どうやら少年チャンピオンで連載している超有名な格闘技漫画、板垣恵介さんの『バキ』らしい。
あぁ、これは…、あいにくだが私の食指が動かないわ。申し訳ないが未読。そういえばガンダム要素なども少しあったかな(笑)
ちなみに本書のカバーイラストも板垣恵介さんが描いたものでしたね。汗だくで目ん玉ひんむいている爺ちゃんの絵なんですけどね。凄いインパクトだね(笑)。
とはいえ『史上最強の哲学入門』を読み進めると、『バキ』を全然知らなくても、苦手な方でもノープロブレムな内容でしたよ👍
なんせ哲学書ってやつは、一般人にとっては神経質そうで難解な怪文書(?)が多いでしょ?
しかし飲茶さんの『史上最強の哲学入門』は、文章が平易で非常に分かりやすかった。大変素晴らしい✨と思う。ちょっと哲学者さん達も、飲茶さんの文章力を見習って欲しいくらいだ(笑)。
【POINT】哲学バトル
哲学者同士がバトルしているかのように解説しているので、凄く分かりやすい。
そういえば哲学書って前時代の哲学を批判して、自分流の新しい哲学を語る内容って多いから、バトル系マンガをパロっているのはナイスなアイデアだと思う。飲茶さんのテンションも高い(笑)。
ところで、頭の良い人ってお風呂の熱いor冷たい問題まで哲学しちゃうんだねぇ(笑)。ソクラテスさんですけどね。
マイク・ヴァイキングさんの『ヒュッゲ』の記事でも書いたけど、凡人の私は、風呂の温度なんて「丁度良いのが一番良いに決まっているわい」程度しか考えたことがなかった。バカバカしいけどある意味、万人共通の普遍なる真理のハズだ😆
ふと思ったんだけど、哲学系の本って玄関口になる入門書的な本は多いけど、その先は案外ガチ勢向けの本ばかりになる気がする。私が知らないだけかなぁ。
史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち
簡単な内容紹介
『史上最強の哲学入門』の第二弾。古代インド哲学をルーツにした東洋哲学の入門書になります。
こちらは13人の偉人を紹介している。なお、パロディ路線は健在でしたよ(笑)。
感想・レビュー
こちらも読んだので一応書いておこう。
ぶっちゃけると、こちらは残念ながら私的にはちょっとイマイチだった。
『史上最強の哲学入門』の第一弾(西洋哲学)と比べると、飲茶さんのテンションが下がっている印象だったなぁ。
それと私の解釈がおかしいのかもしれないけれど、本質を説明していると言えるのかな?って疑問符が付く部分がチラホラ有ったので、ちょっと…
でも全然的外れという意味ではないよ。
解釈は人それぞれなので、とりあえず飲茶さんには飲茶さんなりの解釈が有る、と理解しました。
あと、どことなく歯切れが悪いというか、尻切れトンボな箇所も有ったね。
もう一つ。
私は宗教に熱心なタイプではないので、不快感は全く感じなかったけども、厚い信仰心をお持ちの信者さんの中には、本書を読むとちょっと不快に思う方がいるかもしれません。
なんせ日本は古来より仏教が浸透していますので。
でもこちらも分かりやすかったし「なるほど!」と思うことも沢山書かれていた。
平易に解説するのが上手い人であることに変わりはない。
東洋哲学の系譜を理解するための入門書として良いと思う。
まとめ
今回は飲茶さんの『史上最強の哲学入門』と『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』のレビューでした。
各哲学者達のさわりだけ紹介した感じなので、もっとディープに知りたい方には物足りないかもしれません。
でも入門書としては、どちらもよくまとまっているし、大変わかりやすい。
哲学の歴史が時系列的に理解できるところも良かった👍
哲学者の言ってる概観をサクっと知りたい方なら、これで十分満足できるはず。
また、多少エンターテイメント性が有るので楽しく読めますし、暇つぶしとして読むだけでも有意義な時間を過ごせるんじゃないでしょうか。
哲学初学者の方にも、高校生にも、哲学書一冊くらいは読んでみるか、って方にもおすすめしたい名著でした。
特に西洋哲学の方はとても良かったよ。
『史上最強の哲学入門』の記事は、こちらでも紹介しています。