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【特集】ガロアを知りたい方にお薦めしたい入門書2選

4.05.2025

文学2

難しい数学の本を読む少年

ガロア理論を知りたい方向けの入門書、結城浩さん執筆の『数学ガール』と、加藤文元さん執筆のガロアさんの伝記『ガロア天才数学者の生涯』の感想です。

数学ガール/ガロア理論


カテゴリとジャンル:〈文学2〉理数系著書・数学

タイトル:数学ガール/ガロア理論 (数学ガールシリーズ5)
作  者:結城浩(ゆうきひろし)

プログラマー、技術ライター、クリスチャン。1963年〜。 2014年度日本数学会出版賞受賞。


 簡単な内容紹介 

結城浩さんのベストセラー『数学ガール』シリーズの第5弾。
ラノベ風の青春ストーリー仕立てでガロア理論を説明してくれている。なおラノベ要素は2〜3割ほど。

読書難易度:
入門書なので数学の専門知識が無くても読めるらしいが、高校生レベルの数学知識はあった方が良さげな印象でした。
入門書とはいえ数式が多く出てくるので、人を選ぶ本といえる。

 感想・レビュー 

『数学ガール』は学生さん向けの本ですけど、実際には幅広い年齢層に親しまれているようです。

ガロア理論とは、エヴァレスト・ガロアが発見した代数方程式に関する理論ですな。
現代数学や現代科学にも多大なる影響を与えたガロア理論。サイモン・シンさんの『フェルマーの最終定理』にも書かれていましたね。

学生さんなら、実はサイモン・シンさんの本よりも『数学ガール』シリーズをオススメしたい。
数学が得意な学生さんはもとより、ちょっと苦手意識がある学生さんも楽しみながら学べるんじゃないだろうか、と思える本でしたので。
私も学生時代にこの本に出会いたかった。

というのも『数学ガール/ガロア理論』は、数学が面白いと思ってもらえるように配慮されているんですな。

まず本書は、「僕」と4人の少女達がガロア理論を解き明かしていく数学物語になっているんですよ。
数学をメインにして、ラノベをちょっこっとプラスした感じですね。なのでキャラもストーリーも楽しめるし、読みやすいよ。
もしキャラもストーリーも好みじゃなくても、それを読まない理由にするのはもったいない本だと思う。

勿論、メインの数学も分かりやすい。というか『ガロア理論』については、コレが一番分かりやすい入門書じゃないでしょうか?

あみだくじを使った簡単な例から始まって、定規とコンパスがどーのこーの、体と群がなんやかんやと段々難しくなっていく構成になっているんですが、じわじわとテーマに肉迫していくので先を読んでみたくなるワクワク感もある。
「おぉ!なるほど!」「あ、分かった!💡」と思える瞬間の楽しさをきっと味わえるはずだ。

ただ、正直に言うと、最終章については分かるような分からんような(分かってないね😅🔰)。

本書は、シリーズ第5弾ですが、コレ一冊だけでも全然ノープロブレム。
でもどうせならストーリーや登場人物の人間関係なども楽しみたいと思った方や、他の数学のテーマについても知りたいと思った方なら、第1弾から読む方が良いかもしれません。

数学が嫌いだと、読むのが苦行になる本だと思うので、そういう意味では読む人を選ぶ一冊ですが、もし数学に関心をお持ちなら、入門書としてオススメしたい。
この本に出会えた学生さんは幸せだと思う。

ガチで良い本よコレ👍
もしよかったら読んでみてくださいね。

ガロア 天才数学者の生涯


カテゴリとジャンル:〈文学2〉理数系著書・数学・伝記

タイトル:ガロア 天才数学者の生涯
作  者:加藤文元(かとうふみはる)

数学者。1968年〜。東京工業大学名誉教授、株式会社SCIENTA・NOVA代表取締役、ZEN数学センター(ZMC)所長 。


 簡単な内容紹介 

エヴァリスト・ガロアさんの伝記。

読書難易度:
伝記なので、数学の専門知識が無くても読める。数式も出てこない。

 感想・レビュー 

こちらは数学者ガロアさんを知りたい方向けの本。

フランスに生まれ、19世紀初頭に10代で壮大な理論を打ち立て、20歳で決闘によって亡くなった超・超天才数学者ですが、革命家でもあったエヴァリスト・ガロアさんの波瀾万丈の生涯を描いた作品。

サイモン・シンさんの『フェルマーの最終定理』には、ガロアさん本人のこともサクッと書かれていましたが、こちらの『ガロア 天才数学者の生涯』では、ガロアさんについてさらに深く掘り下げられて書かれています。

加藤文元さんは有名な数学者だそうですが、こんなに良い伝記を執筆されるとは。この方も凄い人だ。
よくまとまっているし、分かりやすいし、これはなかなかの名著だと思う👍
ガロアさんが生きていた当時の時代背景の説明や、数式を省いた理論の概要を解説していたのも良かった。これなら数学が苦手な方でも抵抗無く読めるんじゃないでしょうか。

ガロアさんが人類にもたらしたガロア理論。その恩恵は計り知れないものがある。 しかしガロアさんの生涯で数学歴はたったの5年。
しかも数学一筋で取り組んでいたってわけでもない。
妬まれて足を引っ張られたり、熱心に政治活動してみたり、命がけの色恋沙汰があったり、短くも濃厚で熱くてドラマチックな人生の中で、10代で超難しいガロア理論を打ち立てちゃったという。
なんて凄まじい天才なんだ。私と同じ人類とは思えないんですけど、ガロアさんっていったいどんな脳ミソしていたんだろうね?(笑)

ガロアさんが生きていた当時の史実を含め、ガロアさんの生き様、数学に関わる業績や解説などを知るにはちょうど良い一冊だと思う。
ガロア理論の本と一緒に読むのも良いんじゃないでしょうか。

まとめ

今回は、結城浩さんの『数学ガール/ガロア理論』と、加藤文元さんの『ガロア 天才数学者の生涯』のレビューでした。

サイモン・シンさんの『フェルマーの最終定理』を読んでガロア理論やガロアさんという人物をもっと知りたいと思った方は勿論、学生さんを含め、興味をお持ちの方に最適な本だと思う。
良かったら手にしてみてくださいね。

 関連書籍 

なお、数学がお得意な方で、もうちょっと深くガロア理論を知りたい方には、石井俊全さんの『ガロア理論の頂を踏む』。評価の高い本なのでオススメです。

.Thank you !.
  では、またね😊


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